2005年09月24日「既存建物の耐震補強工事」
今回のご依頼主は、『役所の耐震診断』を受けられ地震に対して大きな不安を感じて、「昭和40年代に建てられたマイホームを大地震が起きても倒れない家にして下さい」との工事依頼です。
役所に委託されている設計士さんと、既存の2階建木造建物の1階部分の畳を剥がして基礎、土台、柱の足元などを調査しました。結果は予想以上ひどく、私は唖然として言葉が出ませんでした。同行された、この道ではベテランの設計士さんも想定以外だと絶句して、お互いに出た言葉が 「よく今日までもっていたね」この一言でした。なぜならば下記の調査内容でした。
1、不同沈下が激しく基礎の立上り部分にクラックが多数ある
2、基礎コンクリートが無筋基礎(鉄筋が入っていない)この年代の建物ではあたりまえか
3、建物の外周以外の中通りの基礎がまるっきりない(これが私も設計士さんも一番のショック)
上記の調査内容で『この物件をどうするか』悩みました。「新築に立て直すのが一番ですよ」と言ってしまえばどっかのハウスメーカーになってしまうし、お客様もずっとこの家に住みたいと言っているし、『やるしかない』その一言で着手した物件です。
建物の強度を数値で表す 構造計算も出ない状況で、まず 構造計算が出来る状況にもっていくところからスタートしました。
費用は、同規模の新築より安くさせなければ「この工事はやる意味がない」 このことを条件において『軟弱地盤に敷設されている簡易基礎をどうするか』 ここからが始まりです。
まずは1階の内部の解体から-----既存建物の建築年代を考慮すれば当然 『どろ壁』 です----