木の現しにこだわった家(2008年10月/東京T邸)
この建物は、ご家族2世帯の住宅部分と、賃貸部分2所帯の、計4世帯の木造2階建ての複合住宅です。
今回のお客様は、以前に弊社で施工しました「葛飾区K邸」を工事中の時から気にされていたようで、構造体が現しの家に強く憧れを抱かれていたそうです。しかしそういったことは出会った後に分かったことでした。
K邸に憧れるお客様が工事を依頼した会社が、偶然K邸を施工した工務店だった。という何とも運命がかった出会いから、今回の工事が始まりました。
設計は、「ワイズ建築設計」の藤井克昌様です。藤井様とは、「アトリエ・ティー・ランド建築設計事務所」の高橋様を通じ出会ったことからご依頼を頂き、着工に至りました。
T様邸はテーマの通り、構造体のほとんどが現しになっており、真壁工法を主としたつくりです。そして、和室・洋間全ての部屋に見える米松の横架材が、「和の中の和」「洋の中の和」という感じに、住む人に暖かみを与えてくれる存在となっています。
床や階段材は杉材を使用しており、ご両親夫妻のリビングには「畳ベンチ」というくつろげる空間の家具も製作いたしました。
ほかにも、和室の照明器具を職人とお客様で協力しあって完成させるなど、互いに手を取り合って工事をすることができた現場でした。
T様邸は、構造材と共に、「木」の存在感を存分に味わえる温もりのある作品となりました。