2006.12.25/
ヨシダデザイン一級建築事務所
吉田知代 様
これからの地震対策:免震住宅<後編>

耐震と免震の思想は180度違う

北村:今回免震住宅手掛けるまでは、漠然と色々勉強はしていたんですけど。
「やってみたい」と思っていた時に吉田さんに出会って、実際やってみて・・・・、想像していたよりシンプルだった。

吉田:こんなことなの?!と、驚くくらい(笑)

北村:今まで耐震をずっとやって来ているから、いかに抜けないように、横に倒れないようにしてきたのに、せっかく耐圧盤作ってホールインアンカーで免震装置を固定するだけはないでしょ?と、驚いた。
あれはちょっとショックだった。揺れたら動かないんじゃない、動かなきゃいけないわけだから。
やっとこの頃、少しずつ自分なりに理解してきて、ね。

免震設計で重要なのは『先まで想定する力」

吉田:免震自体は大分柔軟なんです。難しいのは装置廻り・・・。揺れた時に建物が何cmか動く、そこのクリアランスをどう処理するか、と言うのが本当一番難しくて、お金がかかるんです。

今の公共の建物ですと、バリアフリーで車椅子でも「すっ」と上がれるようになっています。
また、建物と道路(又は周辺地盤)の間は、大きい建物でも地震の時に50〜60センチしか揺れないのが普通です。
免震だとそれだけ遊ぶすき間が空いている。このすき間を花壇にしたりするのが一番安いやり方だけど、バリアフリーにならないから、ここを真っ平らにして車椅子が通れて、かつ地震がきた時には跳ね上がるように特別の金物を設置しますが、それがすごく高いんですよ(笑)。
そう言った建物の足元回りを一番簡単に納めるのは、2階と3階の間とかの(中間階に)に免震装置を入れる。その場合は階段やエレベーターを、ピットを造って上から吊るんです。

−−−免震というのは「いかに先まで想定するか」が大事ですね。

吉田:その辺のノウハウは必要だと思いますけど、それをあんまり想定し過ぎると莫大な費用がかかっちゃうんですよ。
今回の現場は、建物と道路の間の空きは黒い鉄板がポンと載っているだけで、何もしてないです。

−−−固定していない?

吉田:アメリカではそういう風にラフに考えるんです。
建物が大きく動く地震は何十年に一度くらいしか来ません。そのためにどれだけ費用をかけるか費用対効果を考える。多少の修繕は当然あるべきものと割り切り、そこにお金をかけるのは無駄じゃないかと思ったら、コストのかかることはなるべく削ってすごくシンプルにする。
今回の現場の建物の周りはぐるっと空いていますが、もうそこに人は行かないからと仮定して割り切っている。そんな事を含めて悩んだ結果、今回もアメリカ方式を取り入れたんです。

実はこの後も建築についての話がどこまでも続いたのですが、残念ながらインタビューとして載せきれませんでした。
建築家の吉田さんと建築施工者の北村の二人は、お互い正面から建築に取り組む姿勢で共感していたようです。
二人揃って「これからも機会があったら一緒に仕事がしたい」と発言があったので、また両者のコラボレーションを当サイトでご紹介できるかもしれません。

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