杉並幼稚園 耐震補強工事〔2008年8月 東京/杉並区〕
今回の耐震補強工事は住宅ではなく、大正14年に建築された園舎を使われている歴史のある「杉並幼稚園」です。
「椙設計室」の稲沢様より工事のご指名を受け耐震補強工事をしました。
工事着手の前に現場調査を行った結果、長年の歴史から過去に数回の増築や2階を載せたりと、かなり複雑な建物になっています。しかし同年代の住宅建築とは違ってしっかりした構造の建物になっていました。
工事期間は幼稚園の夏休み中に行うというものです。しかし工事内容の規模からして夏休み中の1ヶ月では不可能なため、長期計画を立て今回は1期工事として、職員室等に特化して次期工事の園舎側の構造調査も含めスタートしました。
そこで、まず雨漏れの原因となっている、過去の数回の増築に伴う下屋の継ぎ足し継ぎ足しの屋根を簡素化してシンプルにする。平屋建に2階を載せる工事を数十年前に行っているが満足な基礎も無いため、壁の強度を上げ、面として持たせて大地震の横揺れ時に倒壊を防ぐという内容になりました。当然、縦架材へもエーステンプレートなどの金物を付けていきました。
壁強度を上げる方法はすべてのモルタル外壁を剥がし、筋交を入れて構造合板を張った上にガルバリューム鋼板を張って復旧しています。中通は泥壁を取り、筋交を入れて構造合板張りの上にボード及びクロス仕上げにて復旧しています。
次期工事は園舎の最も古い大正14年築の建物を補強していきます。