■建築レポート■既存建物の耐震補強工事

2005年09月24日「既存建物の耐震補強工事」

耐震補強工事  今回のご依頼主は、『役所の耐震診断』を受けられ地震に対して大きな不安を感じて、「昭和40年代に建てられたマイホームを大地震が起きても倒れない家にして下さい」との工事依頼です。
役所に委託されている設計士さんと、既存の2階建木造建物の1階部分の畳を剥がして基礎、土台、柱の足元などを調査しました。結果は予想以上ひどく、私は唖然として言葉が出ませんでした。同行された、この道ではベテランの設計士さんも想定以外だと絶句して、お互いに出た言葉が 「よく今日までもっていたね」この一言でした。なぜならば下記の調査内容でした。

1、不同沈下が激しく基礎の立上り部分にクラックが多数ある
2、基礎コンクリートが無筋基礎(鉄筋が入っていない)この年代の建物ではあたりまえか
3、建物の外周以外の中通りの基礎がまるっきりない(これが私も設計士さんも一番のショック)

 上記の調査内容で『この物件をどうするか』悩みました。「新築に立て直すのが一番ですよ」と言ってしまえばどっかのハウスメーカーになってしまうし、お客様もずっとこの家に住みたいと言っているし、『やるしかない』その一言で着手した物件です。
 建物の強度を数値で表す 構造計算も出ない状況で、まず 構造計算が出来る状況にもっていくところからスタートしました。
 費用は、同規模の新築より安くさせなければ「この工事はやる意味がない」 このことを条件において『軟弱地盤に敷設されている簡易基礎をどうするか』 ここからが始まりです。
まずは1階の内部の解体から-----既存建物の建築年代を考慮すれば当然 『どろ壁』 です----

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2005年10月03日「砕石地業、配筋工事」

砕石地業、配筋工事
 解体工事が無事に終わり、既存基礎に大きい地震が来ても耐えるベタ基礎を抱かせる工事です。
 既存基礎にケミカルアンカーという材料を200ミリ間隔で上下千鳥で250本打ち込みます。そのアンカーに新しい基礎の立上りの鉄筋を差し込んで、新しく作るベタ基礎の鉄筋と一体化させて軟弱基礎を支える手法です。
 今回はベースコンクリート(耐圧盤)を打設後、新規基礎の立上りコンクリートを打設しました。
 これで一件落着のようですが、まだ旧軟弱基礎に不安があります。この後にも不安を解消する手法を実施させます。----次週お楽しみに!----

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2005年10月13日「壁倍率の強化・筋かい入れ」

 今回からこのコラムの担当を引き継ぐことになりました岩城剛です。宜しくお願いいたします。
コラムの更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

068.jpg コンクリートの打設も無事終わり一安心といいたいところですが、まだまだ耐震面では弱く、突然の地震時の危険性は軽減されておりません。そこで壁倍率の強化の為、45×90の筋交いを入れていくわけなんですが・・・なにより苦労させられたのはどろ壁でした・・・・
 解体時のコラムには書かれていませんでしたが、このどろ壁くずしがまたえらく大変で・・・崩せば崩すほど出てくる出てくる出てくる出てくる・・・ある程度崩したらガラ袋に詰める、また崩す、詰める、崩す、このくりかえしが朝から晩まで2〜3日続きました。一番にホコリが半端じゃなく、朝は日本人、帰りは黒人といった感じでもうどろまみれ!しばらく「どろ」という言葉を聞くのすら嫌でした・・・
 その苦労の甲斐もあって筋交い入れは順調に進んでいきました。筋交いというのは構造計算に基ずきバランス良く配置します。片筋交で2倍、たすき交けで4倍の強度となり、それを 筋交いプレート・ジャスティンプレート・フリーダム等の金物で柱、梁、土台に固定していきます。

 これで建物の強度はかなり増したわけですが、まだまだ強化すべき部分はたくさんあります。構造体をいかにバランス良く強くするか、その続きは次週ということで・・・・
                                      −お楽しみに!−

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2005年10月17日「引き抜き強度その1・ホールダウン金物」

055.jpg さて!今週のコラムのお時間がやってきたわけなんですが、関係のない話ですが聞いてください!今週の私はまったくついてませんでした・・・まず車のタイヤがパンク!どこかで釘を踏んでいたらしく、いくら空気を入れてもすぐにペコペコ・・・スペアタイヤに交換しようとしたらそのスペアもパンクしていた・・・やっと修理したと思ったら、今度はエンジンオイルが漏れていてカスカスになっていた・・・幸いエンジンは無事でしたが、いったいなんなんでしょう今週の私・・・ちょい半泣きです*** 
 ゴホン! 気をとりなおして本編にまいります!

 まずホールダウン金物とは、建築物の構造躯体を基礎にしっかり固定するための接合金物で、住宅の四隅等に取り付けるボルトのことで、耐震補強工事において重要な金物です。(全て重要ですが)
建物を支える基礎から土台や柱が抜けないように、柱と土台を緊結するための特別なボルトで、住宅の四隅など、構造計算に基づいて力のかかる柱部分の引き抜き強度を上げる為に使うものです。地震の揺れによって柱が土台から引き抜かれないようにバランスよく設置していきます。
 
 今回の工事では、新規基礎部分はもちろん基礎配筋時にホールダウン用アンカーボルトを設置しましたが、既存基礎部分は、ケミカルアンカーを使いアンカーボルトを固定・設置していき、そこにホールダウンを構造計算のもと、バランスよく取り付けていきました。
 「いっそ全部の柱にホールダウンをつけてしまえばいいのでは?」 
そんな声が聞こえてきそうですが、そういうわけにはいきません。ただつければいいのではなく、全体的な家のバランスを計算したうえでホールダウンの位置や強さがきまります。
 「じゃあ他の柱や梁は何もしないの?」
それもちがいます、他の柱・梁にはまた別の工事をしていきます。何を使って何をするのかはまた次回のコラムでご紹介致します。
                                            −−つづくーー

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2005年10月30日「引き抜き強度その2・接合金物」

080.jpg まずこのコラムを読んで頂いている皆様、更新が遅れてまことに申し訳ありませんでした!!じつは私のパソコンにトラブルがおき、インターネット接続不可能になってしまいまして・・・トラブル解決に少々時間がかかってしまいました・・・(泣)
   ***スイマセン***
 前回の車の故障に続き今度はパソコン・・何かにとりつかれてるのかしら・・・グスン・・・

 さて、前回のホールダウンのコラムの最後の質問の答えが今回のテーマです。
 「接合金物」
地震時に特に力がかかる部分にホールダウンをつけましたが、それ以外の箇所につけるのがこの接合金物です。一口に金物と言っても種類は色々あります。今回使用したのが以下の金物。

1 山形金物       柱と土台、柱と梁を専用の特殊な釘でとめていきます。
2 エーステンプレート 同じく柱・土台・梁を専用の特殊なビスでとめていきます。
3 コーナープレート   2と同じ。名前のとおり直交しているコーナー部につけられる。
4 帯金物        梁と梁の接合部に特殊な釘でとりつけます。

 これらの金物をとりつけていくわけなんですが、新築なら作業はスムーズにいくんですがこれは改築工事!そう簡単にはさせてくれません・・・

・ 金物をつけたくても腐っていて柱の根元が半分以上ない!ーー柱の入れ替え。
・ 釘を打ってもてごたえが全くない!!中身が腐ってる!−−同じく柱の入れ替え。
・ 土台の一部が腐っていてない!ーー土台の交換。

などなど、金物とりつけより構造体の交換の方が大変でしたよ***

 さてこれで金物はほぼOK!やっと一段落かと思ったらなんと〜〜!!普通木造ならつけてあるはずのある金物がほとんどない!!次はこれをやらねば!!
 一体何がなかったのか?次は何をするのか?それは次回のお楽しみーーーーー!!!
                                           ーー続ーー

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2005年11月06日「あるはずの羽子板金物が・・・」

046.jpg おまたせしました!今週のコラムでございます!

 さて、前回でほとんどの金物は終わったわけなんですが、ふと上を見上げてみたらビックリ!!
木造住宅で一番基本的な「羽子板金物」がどこを探してもついてないじゃありませんか!!

・羽子板金物とは、梁と梁、梁と通し柱等を、抜け防止や引き寄せるためにつける金物です。今回は1階の頭上、つまり2階の床の梁のことです。

 「昔の家は金物なんかほとんどつけなかったし、せいぜい2・3本だったかな」
なんていう話を他の親方に聞いたことがありましたが、今回はまさにそれ!あちこち探してみつけた羽子板全部で3ヶでした。昔はそうだったのかもしれないけれどいやいや恐ろしい・・・

 とりあえずかたっぱしからつけていくわけなんですが、いやいやこれがまた大変で・・・金物をつけるためにドリルで穴をあけていくんですが、とにかく硬い!硬くて硬くておもいっきりふんばらないと穴があかないし、狭くてドリルがまともに入らなかったり、一番嫌なのがやっと穴があくなーっと思ったらどっかから釘がはいっててガリガリガリガリ!!ドリルの先っぽボロボロ・・・(泣)正直勘弁ッス!!
 「50本あれば足りるかな?」 足りませ〜ん!
 「もう50本じゃ余るでしょ?」 足りませ〜ん!
 なんだかんだいってなんと全部で130本以上!!使ったドリル3本!!いやいや・・しんどかった・・・

 やっと完全に金物は終了!とりあえずちょっとくらいの地震じゃもうびくともしないところまできました!ここからは震度6以上の地震がきても全然平気なように、更に強くしていきます。!!続きは次回で!!

  余談
 私の実家で飼っているインコが最近タマゴを産んだみたいで、一生懸命おなかでタマゴを暖めているみたいです。この間遊びに行った時に、なんだかやけに殺気だって噛み付いてくるなぁと思ったらどうやらお母さんオーラ全開ですっかり守り体制にはいっていたようです。こっちはこっちでどうなることやら・・・タマゴは有精卵なのか?無事ヒナ誕生なるか?  --こちらも結果は次回で!--

                                     〜〜どちらもお楽しみに〜〜

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2005年11月13日「もしこの工事をやってなかったら・・・」

067.jpg さて!謎のタイトルとともにやってまいりました今週のコラム!!まずは皆さんに2つの大事なお知らせがあります!まず1つ目!

 前回最後にお話した私の実家のインコ様!すっかり母親モードで一生懸命タマゴを暖めていたのですが、その結果!・・・・・割れていたようです・・・実家の両親がある朝起きると、やたらカゴが騒がしいのでなにかなあと思ったら、割れているタマゴと大騒ぎしているインコでした。 なぜ割れたのかはわかりません。ただ、両親はなにもしていないわけだからひょっとして育児ノイローゼ?まさか自分で?なんにせよさすがのインコ様もショックだったようで、その日はしばらくおとなしく、なんとなく背中が寂しそうでした・・・・
 でも、次の日にはすっかり元気になったようです。もちろんタマゴは取り出して埋めてあげました。
                                        がんばれ!!インコ様!!

 そしてもうひとつのお知らせ!!・・・につきましてはこのコラムの最後ににて!!!

 やっと本編に入るわけなんですが、まず謎のタイトルにつきまして!は、おいといて。今回の工事内容からお話しましょう。
 前回で完全に金物は終わりました。でもそれだけじゃ終わりませーん!もっと強く!新築以上にもっと強くしていきます。そのために、今度は壁を耐力壁にしていきます。そのポイントは3つ。

・通常ですと外壁の下地としては 910×1820の構造用合板をはっていきます、しかし今回は910×3 030の長ーい構造用合板を使います。
・その構造用合板を土台・柱・梁に、50ミリの特殊な構造釘で150ピッチ以上でとめていきます。合板1 枚で約50本以上!
・部分部分ではなく全ての外通りはもちろん、仲通りの間仕切り壁も全て両面!

 もちろん壁の中には断熱材をギッシリ!ただ今回はグラスウールを使ったので、中のチクチクが体にくっついてうちの弟弟子がもがいてましたけど(笑)むろん害(ホルムアルデヒト等)は含まれてません
              工事が順調に進んでいるその時でした・・・グラッ!
ん?と思ったらグラグラグラグラ!!なんと東京平均で震度5強の地震がおきました!けっこう大きく長く揺れていましたが、私たちはだーれも逃げようとしませんでした。それもそのはず、この家は絶対崩れないという自信がありましたから!!少しビックリはしましたけどそれ以上になにより全員が思ったのは

    「この地震がもし数週間前におきてたら・・・もしこの工事自体やっていなかったら・・・」
地震の衝撃よりそのことを考えるほうがよっぽど冷や汗がでましたね・・・・

 「もう補強するところないでしょー?」   あまい!!!
まだやります!これでもか!っていうくらい私たちはこの家を強くします!何をするかは次回で!!
                                    〜〜次週もお楽しみに〜〜
                      =お知らせ= 
 わが北村住建の新築部門から皆様に大事なお知らせがございます。今現在建築中の現場にて、
「現場見学会」を実施します!

ぜひ、お気軽に見学に来てください。
ぜひ、会いに来てください。
ぜひ、生の声をお聞かせください。

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2005年11月19日「ほっときません!2階床!」

132.jpg  今週も皆のアイドルコラムニスト岩城です(笑)
 さてさて、前回突然の地震(震度5強)がおきたにもかかわらず、びくともしない程、この家の耐震の補強工事が施されてきたわけですが、まだやります!でもどこやりましょう?
 基礎はバッチリ!構造もバッチリ!補強金物もバッチリ!耐力壁もバッチリ!あとはどこ?
  
   まだありました!!2階床!!ほっときませんよ〜!

 =本来、仕上げの前の捨て張り構造用合板を、床梁や根太に四方とも構造釘で150ミリ以下のピッチでとめることにより強床(ごうゆか・ごうしょう)となり、構造の一部として床も強化されていきます。=

 今回それを正規の方法で行うには2階の床を全部壊さないといけなくなるし、それに伴い床にからむ造作部分の追加工事も発生、なにより荷物を全てなくさなきゃいけなくなっちゃいます!そうなると解体?荷物?一時引越し?そりゃもう大変!!何か手はないか?そこで出た答えが

 「上からがダメなら下から強床にしよう!」

 確かに1階から2階の梁・根太は丸見え、上からの工事を下からやるだけだから理屈は一緒。
  強床天井といったところですかねぇ
 ただやっかいだったのが2階の電気配線!これがまたちょうどいいところにいるんですよね・・ヨイショッと合板持ち上げて釘を打とうとしたら線がはさまっちゃったり、その線取ろうとしてたらほかの線がプラ−ンて出てきたり、そうこうしてるうちに首痛くなってくるし・・電線コンニャロー!!

 まあなんだかんだ2階の床部分全てはって、壁も天井もガチンガチンにかたまりました。もうどんな地震も怖くありません!(まだ2階も補強工事しますけど)やっと一安心!というところで次回は1階の床を造っていきます。もちろん普通にはいかないですけど・・・・
                                         **つづく**

 構造見学会のお問い合わせまだまだ間に合います!北村住建がどんな家を建ててるか気になる方は是非ぜひ是非ぜひどうぞ!!ちなみに「今日はちょっと予定が・・」という方も、お問い合わせいただければ別にいつでもOK!都合のいい日に見にきて下さい!!
      誰も来ないと泣きます!!        待ってま〜〜す***
    

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2005年11月26日「普通じゃない土台敷き」

gazou122.jpg 今日もこのコラムを見に来てしまいましたね・・・フフフ・・はっ!
ど、どうも!岩城剛です!

 まず、先週の構造見学会にお越しくださった皆様、まことにありがとうございました。皆様のご意見、ご感想などを聞き、私自身もまたひとつふたつと勉強になりました。もしよろしければ、お問い合わせいただければまたいつでも現場のほうへ見学にいらして下さい。 *ぺこり*

 さて、前回でやっと補強工事も一段落しました。そこで今回は床工事にとりかかっていきます。
まずは土台敷き、新設基礎の上に新たな土台を加工して敷いていき、基礎から出てるアンカーボルトで固定していきます。接合部・仕口はもちろん手きざみ!(大工ですから)

 「何が違うの?普通の土台敷きじゃん!!」

 チッチッチ、ここまでは普通の土台敷き、ここからちょいと一手間 
  今日のポイント
 ”旧基礎と新設基礎はケミカルアンカーによって一体化しています。<”コラム第二話”参照>
なら、旧土台と新設土台も一体化させなければ意味がありません!そこで土台を一体化させるべく、土台同士を910ミリ以下のピッチでボルトで連結していきます。(本数だと40〜50本余りですかね。)”

 こうすることによって旧基礎・新基礎・旧土台・新土台が全て一体化し、この家の足元がガッチリ固まりました。
 ここからは通常工事、大引き土台(鋼製束にて固定)・床根太をいれ、捨て張り構造用合板を張り、そして仕上げのフローリングを張って新たな床の完成です!

 今回の工事は全部足元の作業だったからおかげで腰がイタひ・・・ア痛っ!

 さて次回の工事は・・・たまには内緒にしときましょうか!
 何の工事の話かは来週のお楽しみということで・・・
                                       =ではまた来週!=

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2005年12月05日「次は2階です!」

 gazou007.jpgお待たせしました!

 さて前回で1階のほうは床も仕上がり、補強工事も落ち着き、あとは中造作のみとなったのですが、1階のコラムはこれで終わりです!今回から2階の補強工事にはいります。
 「1階の続きは?」と思うかもしれませんが、私このコラムで中造作・造作仕上がりはのせません!
主な理由は2つ、

 1、あくまでこのコラムのテーマ「耐震補強工事」部分を重点的に紹介するため。(ただのリフォーム紹介じゃありませんから)最終的にどういう風になったかだけではなく、耐震補強に関してどんな工事を行ったかを見てもらいたいからです。

 2、正直言うと写真撮り忘れました!!(コラ!)すいません・・・でも1つめの理由も本当です!

 というわけで2階工事です。

 2階は1階の様な解体や大きな工事ではなく、構造計算に基づいて必要な箇所の解体・補強工事をもちろんバランスよく行っていきます。なるべく工事の範囲を広げない為にも、押入れや物入れ(写真)、トイレや脱衣場などを中心にやっていきました。(大部屋も何箇所か)
 主な工事内容としては以前紹介した構造用合板張りです。第7話参照
ただ、ゼロから造る1階と違って、一部を壊し・補強工事をし・また既存の収まりに基づいて復旧をしなければならない、という工事だったので少々頭をひねった部分もありましたね。
この工事を大体7・8箇所行いました。

 基本的に2階の工事はこの構造用合板張りが殆どなんですが、もちろんほかにもいくつか重要な工事があります!え〜とまずはですね・・・
                                      =続=

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2005年12月13日「やっぱり小屋裏もダメでした」

gazou035.jpg ぶるぶるっ!さ、最近寒さが厳しくなってきて現場仕事にゃなかなかこ、こたえますよ〜!!
しかし!そんな時はわが北村住建の熱いコラムを読んで寒さを吹き飛ばしましょ〜!!ハックション!

 皆さん!思い出してみて下さい!1階の工事の時に羽子板金物等がほとんどついていなかった2階の床梁を!(耐震補強コラム第6話参照

 「もしかしたら小屋裏はちゃんと・・・」
     甘かったッス・・・・
期待もむなしくやっぱり金物なんか1っつもついていませんでした・・釘すらとめてないし・・***

 状況
1、基本的に小屋梁・束等の引き抜き防止の金物が全くついてない!

2、母屋の接合部・桁の接合部の金物もついてない!

3、屋根垂木や隅木にあおり止め金物がついてない!

4、もちろん羽子板金物なんかつけようとした形跡もない!

と、まあだいたいこんな感じでした・・やっぱり予想通り!

 工事内容としては、まず小屋梁・束・母屋・棟木をかすがい金物で全箇所とめていきます。母屋・棟木の接合部にもかすがいを打ち、小屋梁や桁には帯金物を使用。
さらに、屋根垂木と桁をあおり止め金物でとめればOK!羽子板金物は・・・これは説明いりませんね。

 工事的には何もむずかしいことはないんですが、とにかく狭い!!それに足元が悪い!
2階の天井に乗っちゃうとバリッて抜けちゃうから乗れないし・・・おまけにやっぱりホコリがすごくてたまらん!!!はいつくばりながら仕事をするわけですからあちこちこすれて全身まっ黒!うちの弟弟子なんかも潜って仕事したんですけど、一仕事終えて出てきた姿はまるでドロボウ!(カールのおじさんか?)
特に羽子板がきつかった・・・ドリルを使うのが大変で・・とにかくもうホコリはお腹いっぱいです!!

  次回で耐震補強工事としての内容は最後です!!ぅお楽しみにぃ〜〜!!

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2005年12月27日「耐震補強工事最終章」

gazou027.jpg 1週間遅刻しました!!スイマセン!

 正直言うとコラムを更新したくありませんでした!だって・・もうこのコラムが終了してしまうと思うと寂しくて・・・年の終わりにコラムも終わりかと思うとついついキーボードから指がはなれてしまって・・・グスン・・
 しかし寂しがっていても仕方がない!このコラムを読んでいただいている皆様のためにも!!最終回書かせていただきます!!

 1階に続き2階の方も大体強度が満たされてきたのですが、大きな弱点が1つ!
2階の長方形の間取りにたいして長手方向の倍率・強度は十分になりました。が、しかしそれにたいして短手方向は、大部屋と大部屋の間仕切りがすべて引き戸になっているため工事できる壁が限られてしまい、可能な壁すべてに工事を施してもどうしても強度が満たされませんでした。
 そもそも2階の短手方向の面は正面・中通り・引き戸面・裏のベランダ面の4ヶ所しかなく、引き戸面はすべて開口、バルコニー面はすべて窓、そうなると結局2面しかありません。これはまいった**

 しかしそこで1つ気がつきました!

 バルコニー面には2間の4枚引きの窓があるんですが、一番端の3尺には大きなタンスが置いてあり、ちょうど窓1枚分ふさがっていました。
 「その3尺を壁にすれば倍率もとれるし部屋の使い勝手にも支障がない!」
と、いうわけで3尺の壁を造ることで問題は解決しました。

 窓周りを最小限壊してサッシを外し、新たに柱をいれ、筋交い・エーステンプレート・山形金物等で壁倍率を確保し、そしてとどめに910×3030の構造用合板をはれば完璧!あとは仕上げの復旧工事!
こうしてこの家の全ての耐震補強工事は終了いたしましたー!!パチパチパチパチ


 これにて「耐震補強工事」のコラムは終了となるわけですが、今まで私の下手くそなこのコラムを読んで下さった皆様、誠にありがとうございました。読みにくかったり説明不足だったりと色々問題点があったとは思いますが、このコラムを通じて我が北村住建の耐震補強部門の工事内容が少しでも皆様に伝われば幸いです。少しでも興味や不安がありましたら是非お問い合わせください。(メールでも可)
    今までありがとうございました!!

                         あなたの家は大丈夫かな?
                                                  〜〜完〜〜

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