◆家づくりのコラム:エクステリアについて

家づくりのコラム:エクステリアについて

 

 

 

住まいの印象は、外壁と屋根だけではなく、エクステリアも大きく影響します。

そんな大切なエクステリアですが、住宅の計画ばかりに力が入ってしまうことで、計画が後回しにされてしまうことがあります。

気がつくと予算が回らなくなっていた…ということも。

今回は、エクステリアで失敗しないために知っておきたいポイントについて、エクステリアとは何なのか?ということから計画ポイントまでお伝えします。

住宅本体と同様に、こだわって計画するために、ぜひ参考にしてください。

 

 

エクステリアとは?

 

英語で「外面、外部、外観」などの意味を持つ言葉で、インテリアの反対として使われることもあります。

家づくりの際には、住宅の外回りにある設備や工作物のことを言い、門扉、門柱、フェンス、カーポート、ウッドデッキなどが含まれます。

「外構」と混同されますが、「外構」は駐車場、アプローチ、花壇などのハード的な部分、「エクステリア」はソフト的な部分を指すように使われることが多いです。

線引きがあいまいなので、使い分けに関してはそこまで気にする必要はないでしょう。

 

 

エクステリアでおさえておきたい3つの計画ポイント

 

新築の際につくるにしても、DIYでつくるにしても、エクステリア全体の計画として、次の3つのポイントをおさえておきましょう。

  • 安全

住宅の外回りのエクステリアの安全は、家に住んでいる家族はもちろん、近隣の人の安全に繋がります。

地震に強いこと、風災害で何も飛ばされないこと、暴雨で何も流されないこと、寒い日に凍結しにくいこと、滑りにくいこと、不審者の隠れ場所にならないこと、侵入を許さないことなど、普段の生活での安全面はもちろん、自然災害、防犯に対しても安全性を考慮した計画を行いましょう。

 

  • 使いやすさ

エクステリアの使いやすさは、暮らしの便利さに直結します。

例えば、ポストの位置。毎朝チェックする習慣があるのでしたら、雨の日も濡れずに確認できる場所にあると使いやすいですよね。

その他にも、物干しをエクステリアに設置するのであれば洗濯機から近い場所にあると便利ですし、家庭菜園をする畑をつくるのであれば、キッチンや勝手口から近いと使いやすいです。

インターホンの位置や、門扉の開けやすさ、手すりの高さなど、住んでいる家族にはもちろん、来訪する人にとっても使いやすい計画ができるといいですね。

 

  • 美しさ

前を通った時に、「わあ、素敵な家」と思える住まいは、エクステリアも素敵です。

エクステリアの計画では、いろいろな部材を組み合わせて使うことになります。

住宅とデザインを統一させ、照明や植栽まで気をつかって計画できるといいですね。

美しさを保つためには、メンテナンスも必要不可欠。

雑草の除去や、塗装のリタッチなど、なるべく手間をかけずに美観を保ちたい際には、最初から手のかからない部材や計画を心がけましょう。

 

 

各所の名称と計画ポイント

 

エクステリアを構成する各部分と計画ポイントを解説します。

 

門、門扉、門柱

 

敷地の入り口となる部分や、玄関の手前に設けられます。

道と、敷地を区切る役割があり、表札やポストなどが設置されます。

門扉は、門と併用して設置される扉のことで、開き戸や引き戸、折れ戸、伸縮タイプなど、いろいろなものがあります。

門柱は、門を設置しない場合に表札やポストを設置するための柱で、機能門柱とも呼ばれます。

 

■ 計画のポイント

  • 家とのバランスを考え、デザインを統一する。(和風住宅に洋風な門構え、洋風住宅に和風な門構え、狭小住宅に大きな門扉などを設置すると、ちぐはぐな印象になってしまいます)
  • 近隣の治安や、街並みに合わせて設置を検討する
  • ポストとインターホンは、来客や配達員が使いやすく、住む人も使いやすい位置に設置する
  • 必要に応じて宅配ボックスを設置する
  • 夜間の使い勝手に配慮して、表札やインターホン、門扉の操作部を照らす照明を設置する
  • オープン外構で機能門柱を設置する場合、自宅や近隣の車に接触されない位置に設置する

 

フェンス、塀

 

道路や、隣地の境界に設置され、不審者などが敷地内に侵入するのを防ぐ役割があります。

塀は、積組用コンクリートブロックからRC造まで、いろいろな構造や仕上げがあります。

条例によって、構造や高さを制限されている場合もありますので、必ず確認しましょう。

 

■ 計画のポイント

  • 住む場所の治安に応じて設置を検討する
  • デザインは、家の雰囲気と近隣の町並みに配慮する
  • 境界線の上に塀やフェンスを設ける場合は、お隣と所有権を明確にしておく
  • 不審者の隠れ場所にならない高さ、デザインにする
  • 安易に乗り越えられない高さにする
  • 人通りの多い道に面している場合は、視線を遮るデザインにする
  • 近隣の状況に合わせて、フェンスや塀を設置せず、コストが抑えられるオープンスタイルにする

 

 

アプローチ

 

土地への入り口となる部分から、玄関までの通路のことです。

 

■ 計画のポイント

  • 転びにくいように、平坦で滑りにくい床材で舗装する
  • スロープで段差をカバーする場合、1/15以下の勾配にする
  • 段差や階段を計画する場合は必ず手すりをつける
  • 夜間、足元や全体を照らす照明を計画する
  • 通行の邪魔にならない程度に植栽を計画すると、華やかな印象になる

 

 

車庫

 

車や自転車、バイクなどを止めるためのスペースです。

屋根のないオープンなタイプや、カーポート屋根を設置するタイプ、壁で囲ってガレージにするタイプなど、さまざまな計画ができます。

土地の建蔽率、容積率をオーバーしないように検討しましょう。

 

■ 計画のポイント

 

  • できるだけ車庫内で停車した状態で乗り降りができるように、ゆったりとした計画にする
  • 将来性も考慮する(車や乗り物が増える可能性や、車が大きくなる可能性など)
  • 最低限奥行きを5m以上、幅を2.5m以上は確保する
  • 舗装は割れにくいものにする
  • 洗車用の水栓計画もすると便利
  • 夜間の駐車のしやすさや、車のトラブル対応、不審者の隠れ場所になるのを防止するために、明るめの照明を設置する

 

照明

 

日没後に外回りを照らすために設置します。

暗くなると光る明暗センサー、人が通ると光る人感センサー、日没~夜明けのみ光るタイマースイッチなど、いろいろな機能を持たせることで、消費電力を抑えながら便利に使うことができます。

 

■ 計画のポイント

 

  • アプローチには、家族やお客さんを迎えるような優しく点灯する照明を取り入れる
  • 死角になる部分には、不審者への威嚇になる防犯センサーライトを設置する
  • 演出用の部分の照明は、明るさや光の色などに配慮する

 

植栽

 

敷地の境界部分を仕切るように植える生垣、家の入口や庭など目立つ位置に植えるシンボルツリー、花壇、パーゴラに絡ませるツル植物など、植栽をすることで、温かみのある華やかな印象になります。

 

■ 計画のポイント

 

  • 生垣、シンボルツリー、庭木など、場所によって適した植物を選ぶ(広葉樹、針葉樹、落葉樹、常緑樹、低木、花が咲かない、実がなるなど、見た目はもちろんですが、手入れのしやすさにも配慮しましょう。)
  • 手入れが行き届かないと、不潔な印象になったり、近隣トラブルの原因にもなるため、世話が行き届く範囲で計画する

 

水栓

 

庭や車庫、アプローチなど外部に設置する水栓のことです。

柱状のものに蛇口が付いたタイプの立水栓と、地面に蛇口が埋め込まれているタイプの散水栓があります。

 

■ 計画のポイント

 

  • リフォームで増やすと、配管が目立ってしまうので、新築の際によく検討して設置する
  • 花壇の水やり、水遊び、洗車など、用途に応じて何箇所か設置すると便利
  • 車庫に設置する場合、駐車の妨げにならないようにする(散水栓がおすすめ)
  • 子どもやペットの足洗に利用する場合、お湯の必要性も検討する

 

デッキ

 

1階の庭部分に、掃き出し窓から出られるようにして作られる広さのある縁台で、木製やアルミ製、人工木材(樹脂)製のものが一般的です。

 

■ 計画ポイント

 

  • 予算や手入れできる頻度に合わせて素材を選ぶ
  • アルミ製は手入れの必要がほとんどなく、価格も安価だが、夏熱くなるので注意が必要
  • 木製は樹種によって年1~2階塗装が必要になるため、注意が必要
  • 安全性に配慮してすりをつける
  • 人通りの多い道や、隣地に面する場合は目隠し設備を設置する
  • 南面や西面に設置する場合、シェードや屋根を設置できるようにする

 

 

ウッドデッキがあればリビングの拡張とプライバシーの確保もできます!

 

 

エクステリアで失敗しないために知っておきたいポイントについて、エクステリアとは何なのか?ということから計画ポイントまでお伝えしました。

エクステリアと住宅の内部を一体として考えることで、暮らしはとても便利になります。

ステイホーム期間も穏やかに楽しめるようなエクステリア計画ができるといいですね。

 

 

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今回コラムでご紹介したエクステリアも、オプションでカスタマイズできる為、自由にお好みの仕様へ変更する事が可能になっています。

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◆規格住宅ブランド「コノミハウス」ウェブサイトリニューアルのお知らせ

 

 

 

◆ 執筆者プロフィール ◆

satou_san

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。