◆家づくりのコラム:住宅の防音について

 

住宅の防音と聞くと、楽器を演奏する部屋やホームシアターが思い浮かび、必要のないものと思われるかもしれません。

でも、考えてみてください。

私たちの生活は、とてもたくさんの音に溢れていますよね。

住まいの中や外で発生する音は、少しの工夫でコントロールすることができますし、音に関する環境を改善すると、ストレスが減り、快適な毎日に繋がると考えられています。

今回は、家づくりの際に考えたい、住宅の防音について解説します。

 

 

住宅の防音とは?

 

住宅の防音の目的は、住まいに使用する内装材や建具の遮音性や吸音性を活かして「家の中で発生する音を外に出さない」「家の外の音を中に入れない」ようにすることです。

家の中で発生する音については、次のものが挙げられます。

  • 扉の開閉音
  • 掃除機をかける音
  • テレビの音
  • 子どもの足音
  • 洗濯機の音
  • 換気扇の音
  • 犬の鳴き声
  • 楽器の音
  • トイレの音

これらの音は、どうしても発生してしまうものです。

部屋の配置や内装材に気を使って家族が快適に過ごせるように計画を行いたいですね。

 

 

住宅の防音の考え方

 

音の感じ方は人それぞれで、とても曖昧なものですね。

そのため、音の多きや遮音性能は数値で表され、事前にどの程度音が軽減されるのかを確認することができます。

例えば、アマチュアのピアノの演奏は90dBで、音のレベルとして「きわめてうるさい」と判断されます。

40dBの遮音効果がある防音室をつくると、防音室の外に聞こえる音は「90dB-40dB=50dB」と数値で表現することができます。

個人差はありますが、私たちが快適に生活できるのは、周囲の音が40~50dB以下の時と言われています。

40~50dB程度の音というのは、「昼の住宅地」や「エアコンの室外機の音」「小さい声」と同程度。それ以上の音が近くにあると快適にすごせませんので、遮音する必要があると考えられます。

また、「快適さ」を考えると室内の音の響きも考慮したいポイントです。

防音までしなくても、リビングや個室の内装材を工夫して音の響きを抑えることで、会話が聞き取りやすくなり、音についてのストレスが軽減されます。

天井を吸音ボードにするだけでも効果がありますよ。

 

 

住宅の防音材

 

住宅に使われる防音のための材料で、代表的なものを紹介します。

 

吸音ボード

天井に使われる吸音に配慮された建材で、基材のロックウールと表面の細かい穴が音を吸収し室内の響きを抑える効果があります。

内装の仕上げ材として使われるため、表面のパターンにはいろいろな種類があります。

 

遮音シート

壁の下地や、配水管などに施すシート状の遮音材で、新築やリフォームにも使うことができます。

 

遮音マット

フローリングなどの床材の下に敷きこむタイプの遮音材で、床に伝わる衝撃音を吸収し、下の階に伝わる音を軽減する効果があります。

 

防音ドア

枠やドアの下部にパッキンが施され、気密性を高め、音漏れを防ぐ効果がある扉です。

生活音を防ぐタイプから、カラオケの個室に使われるタイプまで部屋の用途に応じて選ぶことができます。

 

二重窓(内窓)

「インナーサッシ」とも呼ばれ、窓を二重に配置するものを言います。

防音だけでなく断熱にも大きな効果があり、リフォームで人気を集めています。

 

住宅の防音について解説しました。

音は、生活に欠かせないものであり、どうしても発生してしまうものなので、上手に付き合う必要があります。

これから家づくりをする方や、音の環境を改善したいと考えている方は、それぞれの生活や気になる音に合わせて計画ができるといいですね。

◆ 執筆者プロフィール ◆

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ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。

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