◆家づくりのコラム:建築工法について

 

どのような工法で家を建てるかについては、家づくりを検討中の多くの人が悩むことにだと思います。

日本の住宅の大半が在来軸組み工法と呼ばれる木造の住宅となっていますが、その他にも住宅に用いられる工法としては、ツーバイフォー工法、SE構法、鉄骨構造(S造)、鉄筋コンクリート構造(RC構造)があります。

今回は、住宅に使われる工法についての価格帯や、基本的な特徴をお伝えします。

それぞれの工法についての基本的な知識を確認して、自分に合った家づくりのヒントを見つけましょう。

 

 

 

 

在来軸組み工法(木造)

 

まずは、日本の住宅の大半が該当する在来軸組み工法についてお伝えします。

柱や梁などの構造材を、仕口と呼ばれる加工や金物で繋げて構造体を組み上げ、筋交いや構造用合板によって支える工法です。

使用する材木の樹種によって価格帯は大きく異なりますが、一般的な坪単価は50~70万円ほどです。

 

在来軸組工法の特徴

 メリット  

  • 建築費用が比較的安い
  • 設計の自由度が高い
  • 間取り変更などのリフォームがしやすい
  • 化学物質を排除した住宅がつくれる
  • 木材の調湿効果や五感から感じられる癒し効果などの恩恵を受けられる
  • 温かみがある
  • 梁や小屋組み、柱などの構造体を見せられる

 

 デメリット  

  • 品質がばらつきやすい
  • RC造などに比べると耐久性は低い
  • 比較的火災に弱い
  • 虫害が起こりやすい
  • 気象災害に弱い

 

 

ツーバイフォー工法(木造)

 

大手ハウスメーカー等で広く採用されている工法で、2インチ×4インチの寸法の木材と合板を組み合わせてパネル状にし、箱を組み立てるようにして面で作る工法です。

価格帯は一般的に30~50万円程度と最も低い水準になります。

 

ツーバイフォー工法の特徴

 メリット  

  • 在来軸組み工法に比べて耐震性に優れる
  • 工事期間が短い
  • 気密性が高い
  • 断熱性能に優れるため、全館空調などによる空調管理がしやすい
  • 建築に高度な技術が必要なく、品質にばらつきが生じにくい
  • 比較的化学物質に依存しない家づくりができる

 

 デメリット  

  • 大きな開口を設けにくい
  • リフォームの際の間取りの変更が難しい
  • 構造体を見せることができない
  • 木材の調湿効果などには期待できない
  • 気密性が高いため、構造体の防腐対策が必要
  • RC造などに比べると耐久性は低い
  • 虫害が起こりやすい

 

 

SE構法(木造耐震構法)

 

構造用集成材という強度と品質が明確化された材料と、SE金物という非常に耐久性に優れた金物によって、木材の質感を活かしながら、RC構造や鉄骨構造に使われるラーメン構造と同様の手法で建築物を形成する構法です。

一般的な坪単価は60~90万円以上となっています。

 

SE構法の特徴

 メリット  

  • 構造計算によって優れた耐震性を実現している
  • 木材を主に使うので環境に優しい
  • 大空間で自由度の高い設計ができる
  • 大きな開口部が設計できる
  • 金物がすっきりしているため、構造体を見せることができる
  • 将来性を見越した設計をすることで、リフォームにより間取り変更もできる

 

 デメリット  

  • 構造体に関係する場合、急な間取り変更ができない
  • 集成材を多様するため、在来軸組み工法よりも化学物質を発散する
  • 木造の中では工事費用が高い

 

 

 

鉄骨造(S造)

 

鋼材とボルト、溶接によって構造体を組み上げる工法で、軽量鉄骨造(厚さ6mm未満の鋼材を用いる)と、重量鉄骨造(6mmを超える鋼材を用いる)に分けられます。

鋼材の靭性を活かして強度を持たせる工法です。

一般的な坪単価は50~80万円程度となっています。

 

鉄骨造の特徴

 メリット  

  • 比較的工事期間が短い
  • 鉄骨の品質にばらつきがなく、安定している
  • 耐震性に優れる
  • 大空間の設計ができる
  • 大きな開口部が設計できる
  • 火災に強い
  • 気象災害に強い
  • 木造住宅に比べて火災保険が安くなる
  • 高気密

 

 デメリット  

  • 材料加工等の準備期間が必要
  • 構造体が重いので適切な地盤補強が必要
  • 確実な耐火被覆と断熱工事が必要
  • 木造に比べ工事費や解体費が高い
  • 自然派の家づくりには不向き

 

 

鉄筋コンクリート構造(RC造)

 

鉄筋を配筋し、コンクリートを流し込み、構造体をつくる工法です。

圧縮力に優れるコンクリートと、引張力に優れる鉄筋を組み合わせることで、耐久性に優れ、大規模な建築物にも広く用いられる工法となっています。

一般的な坪単価は60~100万円程度です。

 

鉄筋コンクリートの特徴

 メリット  

  • 品質が均一
  • 優れた耐久性・耐火性・耐震性・防音性を持つ
  • 高気密
  • 大空間の設計ができる
  • 大きな開口部が設計できる
  • デザインが自由
  • 木造に比べて建築場所の制約が少ない
  • 重厚感がある
  • 自然災害や火災に強い
  • 火災保険が安い
  • 虫害が生じない

 

 デメリット  

  • 結露が生じやすい
  • カビが発生しやすい
  • 重量が重い
  • 鉄骨造よりも工事費や解体費が高価
  • 工事期間が長い

 

 

 

施工中のRC住宅現場

 

 

日本の住宅に用いられる、一般的な工法についてお伝えしました。

それぞれのメリット、デメリットを把握した上で、予算や要望に応じて適した工法選びができるといいですね。

 

 

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◆ 執筆者プロフィール ◆

satou_san

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。