---北村住建さんとの仕事で何か印象的なエピソードはありますか?
稲沢さん:一つ前の現場でコンクリート打ちっぱなしの現場だったんですけど、表面がピカピカツルツルのよくある仕上げではなくて、杉の板で仮枠を作ってほしいと。
コンクリートに「木目を写して仕上げてほしい」という難題を伝えたところ、北村さんは仕上がりをすごい心配されていて。
「モックアップ」っていうんですけど、実際にコンクリートを打ったらどうなるか?っていう試験まで北村さんはされていたんですよ!
あれを見た時は正直ビックリしました!
しかもいろんなパターンでモックアップを造って、その中で「こっちよりこの肌がいいね」っていう話をできるところまで用意して頂けたので、「こういう体制で仕事が出来るっていうのはすごくいいなぁ」と思いました。
---最後に、稲沢さんがこれから目指していきたい建築というのは?
稲沢さん:どんどん肩の力を抜いた建築をしていこうと努力をしています。
昔はこう・・・なにもかも全部きっちり揃ってないとダメ!とか、材木も模様が全て合わないと気が済まない!なんて思ってたんですけど・・・。
今はきっちりした建物より、こう、、味のある、肩の力の抜けたような優しい感じの建物を造っていこうと思っていますね。
もともと「デザイナー」とか「建築家」って言われるのがあまり好きじゃないんです。
なので、どちらかというと「設計屋」とか「建築士屋」っていうようななるべく近いポジションでずっとやっていきたいなぁと僕は思っています。
---有難うございました。