◆家づくりのコラム:外壁について

 

 

住宅の外壁は、色や仕上げによってその住まいの外観の雰囲気を大きく左右しますよね。

また、使う材質によって住まいの快適さや、将来的に外壁のメンテナンスに掛かってくる金額も変わってきます。

面積が大きいので、新築時にコストを占める割合も大きくなり、予算ありきで決めてしまう場合も少なくありません。

 

外壁は住まいの外観に大きく影響し、住みやすさにも関わってくる部分ですから、素材の機能性を充分理解した上で選定したいですね。

 

今回は、そんな外壁に使われる基本的な材質やメンテナンスについて解説します。

 

 

 

基本的な外壁の種類

 

日本の新築木造住宅の外壁の大半を占めると言われている、サイディング・モルタル・ALC・タイルについてそれぞれの特徴をお伝えします。

 

1. サイディング

サイディングとは、乾式工法の外壁の代表的な仕上げ材で、サイディングの中でも窯業系、金属系、樹脂系、木質系等の種類に分けられます。

この記事では、代表的な窯業系と金属系について解説します。

 

1‐1 窯業系サイディング

セメント質と繊維質を主な原料とし、高温の釜で圧力をかけながら成形して作られます。

成型時の方の種類や塗装によってモルタル調やタイル調、レンガ調等の様々な質感を表現することができ、その豊富な色柄のバリエーションで人気を集めています。

 

 

1-1-1. 窯業系サイディングの厚み

厚みは14mm・15mm・16mm・18mmが一般的ですが、それ以上の21mm・35mmの商品も存在します。

厚みによって価格が高くなりますが、その分見た目の高級感、質感のリアリティが増しますので、住宅の雰囲気がより豪華なものになります。

厚みによって機能性に多きな違いはありませんが、施工方法に違いが出てきます。

 

14mmのサイディングの施工方法は、釘留め工法と呼ばれるものになります。

これは釘で外壁に打ち付ける工法のため、釘頭がどうしても見えてしまうことや、釘頭が錆びてしまうデメリットがあります。

(サイディングと似た色で塗装しますので、遠目からはわかりませんが)

15mm以上のサイディングは、金具止め工法と呼ばれる金具に引っ掛ける施工方法が用いられます。

金具止め工法は釘を使いませんので釘頭が見えず、綺麗に仕上がりますし、シーリングの耐久性が向上します。また、釘留め工法よりも地震力に強いとされています。

 

 

 

1-2. 金属系サイディング

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板に樹脂系の断熱材を組み合わせ、成型されます。

窯業系に比べて軽量で、施工性に優れ、軽量な分構造体への負担も少なく、建物の耐震性にもいい影響を及ぼします。

施工方法は、金属板が重なる部分で釘留めを行うため釘頭が見えません。

頑丈で、長く美観を保ちますので、公共建築物や美術館にも用いられます。

 

 

1-2-2. 金属系サイディングの理解していきたいポイント

価格帯も4000円/㎡程度~とあまり高くなく、美観や耐久性に優れ、施工性も良い素晴らしい外壁材に思える金属系サイディングですが、採用の際は以下の点を理解しておく必要があります。

 

・金属の薄さから、凹凸の表現が苦手なためタイル調や石目調はとても安っぽく見える

・へこんでしまうと直しにくい

・断熱性は期待できないため、断熱材の選定に気を使う

 

デメリットをカバーするためには、お好みによりますが柄物を選ばず、シンプルなデザインを選ばれることがおすすめです。

 

 

 

2. モルタル

モルタル塗りとは、湿式の外壁仕上げの代表的な工法です。

現場で施工するため、技術力が必要であり、サイディングに比べると仕上がりの品質のばらつきは否めませんが、その分とても迫力と雰囲気のある仕上がりになります。

モルタル壁の代表的な仕上げを何点かご紹介します。

 

 

 

2-1. ジョリパット

アイカ社の製品であるジョリパットは、豊富なデザインで人気を集めています。

また、従来のモルタル壁を研究しつくして開発されているため、耐久性に優れ、弾性があり、ひび割れが起きにくいことも魅力です。

ザラつきのある仕上げのため、汚れがつきやすいこと、色あせが目立ちやすいことがデメリットとして挙げられます。

 

 

 

2-2. 吹付けタイル

吹付けタイルとは、モルタルを1~3mmの厚さで吹き付け、異なる種類の塗料で複層にし、凹凸をつけた仕上げのことを言います。

表面はつるんとしていますので、塗装やコーティング材と合わせることでより汚れがつきにくく、耐久性もアップします。

吹付けタイルの肌合いがお好みの場合は、検討したい外壁仕上げですね。

 

この他にリシン・スタッコがありますが、耐久性の低さから現在はあまり使われなくなりました。

 

 

 

3. ALC

ALCとは、気泡コンクリートのことを言います。

コンクリート壁の重さ・断熱性に劣るといった2大欠点と言われる部分を解消したのがこのALC壁です。

ALCは、塗装が必要になるため、外壁を自分好みの色にできるというデザイン的なメリットがありますが、性能が優れ、塗装の手間が掛かる分新築時のコストがかかります。

また、メンテナンスも定期的に必要ですので、長年に渡ってお手入れができる方が採用されることをおすすめします。

 

 

 

4. タイル

タイルは、石や粘土を細かくしたものを成型し、高温で固めたものです。

磁器質、せっ器質のタイルが主流で、耐久性に非常に優れています。

一昔前はモルタルを用いる湿式が主流でしたが、最近は金具や専用接着剤を用いた乾式工法が主流になってきています。

タイルの種類や目地の通し方によって建物の雰囲気を演出することができ、デザイン的にも優れた材質と言えますが、新築時のコストはかかります。

 

 

メンテナンスがあまり必要無いと言えますが、はがれやひび割れには気づき、対処する必要があります。他の外壁にも通じますが、日ごろから点検を行うことが大切と言えます。

 

 

 

その他の外壁

 

この他にも、少数派ながら外壁仕上げは多数存在します。

土壁・砂壁・漆喰壁・プラスター壁等の職人の手で塗り仕上げる塗り壁。

レンガや石を貼り付けたレンガ張り、石張りの外壁。

木材を張り付けた羽目板張り等です。

それぞれの仕上げに重さや、燃えにくさ、耐久性のデメリットはありますが、自然素材を使っているため、環境に優しく、年数と共に風合いが増すことが魅力です。

 

全体をサイディングやモルタルで仕上げて、部分的に羽目板やレンガを用いる住宅もよく見受けられますね。

 

 

 

メンテナンスについて

 

外壁のメンテナンスは、新築から10年を境に検討するべき と言われています。

ですが、その家がおかれている環境によって痛みが早くなることは充分あり得ます。

 

外壁は、毎日私たちを過酷な外の環境から守ってくれている大切な部分ですから、住まい手になる方は、日ごろから外壁の状態をチェックできるといいですね。

特に、以下の点に注目しましょう

・ひび

・割れ

・塗膜のはがれ

・かび

・触ると手が白くなる(チョーキング)

・色あせ

・カビ

・藻が生える

・(サイディングの場合)コーキングの劣化

 

この様な気になる痛みのサインが見られた場合は、新築から10年経っていなくても建築会社に相談されることをおすすめします。

 

外壁の特徴や、メンテナンスについて充分理解した上で、予算やお好みに合わせてその家らしい外壁が選定できるといいですね。

 

◆ 執筆者プロフィール ◆

satou_san

ー 佐藤結伽 ー
2級建築士。
2人娘の育児にも奮闘中。
最近、自邸の建設をし
注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。