◆家づくりのコラム:フローリングについて
先日の事です。
あるお客さまからリノベーションのご依頼があり、ご自宅で相談を受けておりました。
床の張り替えもしたいという事でしたのでご希望をお聞きしていたわけです。
「無垢のフローリングがいいんですよ。」
とそのお客様が言いました。
やはり小さなお子様もいらっしゃるという事で、自然素材に拘りたいとの理由からです。
ただ無垢材を使用する上でお伝えしなければならない事がありましたので、少しご説明させて頂きました。
すると少し悩んでいるようです…。
一体にどんな事で悩まれているのでしょうか?
と言うわけで今回は「フローリング」についてお届けいたします!
フローリングの種類
一概にフローリングと言っても実は様々な材料があります。
今回のお客様が希望されたに無垢材から、木材と基盤を張り合わせて出来た複合材などがありそれぞれ特徴があります。
・無垢材フローリング
名前の通り混ざり物が無い100%本物の木材を使用したフローリング材です。
見た目の美しさと自然の織り成す風合いは無垢材に勝るものはないでしょう。
木の独特の香りや触り心地などからヒーリング効果も期待できますし、調湿効果による室内環境の改善にも適しています。
又、経年により木の色の深みが増し、年数によっての変化を楽しめるのも無垢材ならではと言えます。
・複合フローリング
表面に0.3mm~5mm位の薄さに加工された無垢材と、基材となる合板やMDFなどを張り合わせて出来ています。
表面に無垢材を使用している為、厚みがあるものに関しては全く無垢材と見分けがつきません。
表面の単板は、無垢材 以外にも樹脂シートなどに木目を印刷したものを張り合わせた複合材もあります。
こちらは樹脂シートを使用していますが、最近の印刷技術の向上により、かなりリアルな仕上がりになって来ています。
凹凸まで再現している為、殆ど本物と見分けがつかない位のものもあります。
↑どちらも特殊加工シート品です。見分けがつきません!
無垢材の特徴
良いイメージのある無垢材ですが、先にも触れたように使用するにあたって注意しなければならないことがあります。
まず木の特徴として湿気を吸い取る吸湿効果がある為、季節によって無垢材は形状に変化を起こします。
湿度の高い梅雨時期などでは湿気により木が膨張し、乾燥している冬季では逆に木は収縮し痩せます。
又、針葉樹などは広葉樹よりも柔らかい為、傷がつきやすいという特性もあります。
このような特徴から無垢材はフローリング間の隙間や反り、割れ、傷などが起こりやすい材料であることが分かります。
↑乾燥時期は隙間が空いているのが分かります。
・無垢フローリングの施工
無垢材を使用する場合、フローリングを施工する過程において適切な方法で施工することが必要となります。
冬季に施工する場合は特に木の収縮が大きい為、予め隙間を少し開けて施工します。
この段階でピッタリ隙間なく施工すると湿度の高い季節に木は膨張する為、隣の材料との間に逃げ道がなくなり反りや割れの原因になります。
その為、施工後に若干の隙間があることは、この様な不具合が起こらない為の施工方法と言えます。
逆に雨期に施工する場合は、木材が湿気を吸収し膨張していると考えられますので、あまり隙間を空け過ぎて施工しまうと乾燥時期に木が収縮し隙間が空き過ぎてしまう可能性があります。
又、傷が気になる場合は、UVクリア塗装などの塗膜性能の強い表面加工がしてある材料を選んだ方が良いかもしれません。
複合フローリングの特徴
複合材と無垢材の大きな違いは性能面にあります。
やはり色々な環境に対応できる様に人工的に作られている為、無垢材で起こる可能性のある不具合は改善しています。
季節によっての形状の変化も少ないので施工もしやすく、表面強度の強いものから遮音効果のあるものまで幅広く性能面でカバーしています。
又、シート化粧板の複合材においては上記の性能面に加え、抗菌、耐キャスター性、耐水、耐薬品など、性能面でより充実していると言えるでしょう。
床暖対応について
環境によって形状変化を起こす無垢材ですが、床暖房に対応している製品もあります。
通常の乾燥状態よりも含水率を低く強制乾燥させ、木の収縮を極力少なくした加工により床暖房に適応させています。
但し、全く変形しないというものではない為、施工時などには注意が必要だと思われます。
それに比べ複合材に関しては木の収縮率が少ないので床暖に対応した製品も多く、品質も無垢材に比べると安定しています。
シート化粧板の複合材は、殆どの製品が問題なく使用でき、表面も木材を使用していない為ホットカーペットにも対応できるものが多く存在しています。
フローリング材の選び方
フローリング材を選定するときは、何を重要視しているかによって選ぶ材料が変わってくるでしょう。
極力自然素材を使用したい方にとっては無垢材が魅力的に思えるかもしれません。
但しこれまでに上げた特徴を良く考慮したうえで選定しないと、あとになって後悔する可能性も考えられます。
無垢材を使用する上でのデメリットはあげたらきりが無いほど存在します。
勿論近年の乾燥技術によって性能は向上していますが、自然のものですので全て均一化が出来ないのが現状にあります。
但し、無垢材の不具合を逆に木材の良さと考えられる方にとっては、これほど良い材料は無いと思います。
機能面を求める方や無垢材の不具合面が気になる方には複合材がお勧め致します。
無垢材の質感が欲しい場合は、単板5mm位の厚さの複合材でしたら全く無垢材と変わらず不具合も少ないと思われます。
機能面を重視している方はシート化粧板の複合材がベストです。
各メーカーが性能試験を行っている為、性能に関しては非常に優れており見た目も十分に楽しめる商品は沢山あります。
最近は触り心地まで追求しているものもありますので、木の質感を求める方にも満足できると思います。
私達北村住建では長年無垢材を取り扱っており、その経験から施工技術を活かし、より良いものをお客様に提供出来るように日々取り組んでおります。
施工に関してお困りの事やご質問などございましたら是非お問合せ下さい。
専門のスタッフがお客様のご希望を叶えるお手伝いを一生懸命させて頂きます。
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